【いくら貯めておけば安心?】老後にかかるお金の話
投稿日:2021.12.03
以前「老後2000万円問題」に関する解説をさせていただきました。
記事の中で、自身のライフプランを想定して「何歳までにいくら貯めるのか?」をあらかじめ設定しておくことが重要であるとお伝えしましたが
「じゃあ、一体老後までに大体いくら用意しておけばいいの?」
という疑問が出てくると思います。
そこで今回は現状、老後にかかる支出を見ていき、年金の平均収支とともに、どのくらいのお金が必要なのか?考えていきましょう。
老後資産のシミュレーションにご活用ください!
目次
老後に必要な生活費
老後の生活費について、ご夫婦二人の世帯と一人暮らし世帯の2つのパターンの平均を、総務省のデータから見ていきましょう。
65歳以上の夫婦世帯
65歳の無職世帯の夫婦の支出は、勤労世帯と比較して約18万円ほど減少しています。
65歳以上の夫婦の2人で、平均して約26万円ほどの支出があるようです。
減少する支出の大半は税金、社会保険料などの非消費支出が減少することによるもので、
次いで高齢化により外出頻度が減る分、交通・通信費の支出が減るようです。
反対に保険診療代などの保険医療費、交際費に遣う金額は上昇する傾向にあります。
65歳以上の一人暮らし
65歳の無職世帯の一人暮らしの支出は、勤労世帯と比較して約9万円程度の減少。平均して約15万円ほどの支出があるようです。
注:家賃について
上記2つの表はあくまで「平均値」です。表の中で住居費は「その他」に含まれていますが、住居費は住んでいる場所や「賃貸」か「持ち家」かで大きく異なってきますので、上記の表はあくまで参考程度に見てください。
生活費以外に必要な資金
毎月の生活費以外で必要になってくるであろう費用もあります。
子どもなどへのお祝い費用
結婚・孫の誕生・住宅購入時に援助する・・・など、ライフイベント毎の援助。
家のリフォーム費用
老朽化のメンテナンス・バリアフリー化など
介護費用
日本人の健康寿命は上図のとおりです。75歳以上の方の31.9%は要支援・要介護の認定を受けています(※1)。介護サービスの自己負担額は、認定を受けた年齢、所得、要介護レベルなどによりますが、月々の介護費用の平均自己負担額は7万8,000円です(※2)。
※1:厚生労働省調査「令和元年度 介護保険事業状況報告」より
※2:生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」
葬儀代
葬儀費用に関しては以下をご覧ください。
以上のように世帯によって条件が様々であるため、一概には言えませんが、仮に生活費のみで考えると、65歳以上世帯の月間生活費の平均値である
・65歳以上の夫婦 ・・・ 約25万円
・65歳以上の一人暮らし ・・・ 約15万円
この金額は老後に最低限文化的な生活を送るための一つの目安とはなりそうですね!
老後の収入について
次に、老後の主な収入の部分についてみていきましょう。
上図をご覧ください。
左側が夫婦の場合、右側が一人暮らしの場合の収入の平均値です。
図を見て分かる通り、基本的に社会保障給付(年金)でやりくりしていくという形がほとんどです。
先ほどの支出に対して、収入(年金受給額)で不足する分を、確定拠出年金(企業型DC)やiDeCoなどの活用するか、貯金で埋めていく形になりますが、実際にご自身がどの程度の年金受給額になるのか?はあらかじめ調べておいた方が良いかもしれません。
将来の年金額を正しく試算したい方は…
マイナンバーカードをお持ちの方であれば、ねんきんネット(日本年金機構)で、将来受け取ることができる年金見込額の試算をすることができます。
ご自身の年金見込額を把握して、ご自身が見込む支出額との差額がどの程度か?を確認出来たら、いくらお金を貯めておけばいいのか?という疑問がクリアになると思いますので、是非お試しください!
まとめ
いかがでしたか?
今回は老後の支出と収入についてみていきました。
概ねどのくらいのお金を貯めるべきなのか?ということをライフスタイルに合わせて計算し目標の明確化を図ることで、老後の不安を減らしていきましょう!
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【出典】
・総務省家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2020.pdf
・令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-02-06.html