【投資銘柄の選び方】トップダウンアプローチとボトムアップアプローチの概要
投稿日:2021.09.29
資産運用をを本格的に始めてみたいけど、一体何を基準に投資先を決めればいいのかわからない・・・。
このようなことを誰しもが一度は思ったことがあると思います。
実際に日本の株式市場に上場している企業数は全部で3,836銘柄(※1)、投資信託の数も全体で5,883本(※2)と非常に多く、この膨大な数の中から投資先を選ぶ必要があります。
適切な投資先を選定する種類は様々ありますが、今回は投資先を選ぶうえでの一つの方法として「ファンダメンタルズ分析」特に「トップダウンアプローチ」及び「ボトムアップアプローチ」というものについて説明していきます。
明確な指標を基に、投資先を選ぶ手法を学ぶきっかけとしていただけたら幸いです!
※1:2021年8月29日現在
※2:数字で見る投資信託 - 投資信託協会 2021年7月末データより抜粋
https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/figure/
ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析とは、経済、政治、国の人口などの大きな視点の見通しであったり、個々の企業の財務状況などの動向などの情報の調査分析を基に、投資先を選定する手法を指します。
このファンダメンタルズ分析は大きく分けて2種類に分けられることができ、これが冒頭で出てきた「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」です。
トップダウンアプローチとボトムアップアプローチの大まかな分類は上図のとおりなのですが、もう少し詳しく説明していきます。
トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチは、例えば世界の金利の情勢、国際情勢や為替、はたまた天候など様々な外的要因から、投資すべき産業を選定し、そこから更に特定の企業に絞り込んで投資先を決めるという手法を指します。
このように景気の局面から伸びる産業を見極めて、投資銘柄を選定するというアプローチの仕方がトップダウンアプローチなのです。
トップダウンアプローチの考え方を活用することで、例えば景気が上昇し始める局面では、景気動向に敏感な銘柄(例:自動車関連など)に注目し、逆に景気が悪くなる局面においては金利に敏感な銘柄(例:電鉄、電気、ガスなど)や景気の動向に左右されにくいディフェンシブ株(例:食品、医療など)の投資を検討する、などのアクションが取れるようになります。
この景気動向を見極めるために参照する経済指標として、内閣府が発表している景気動向指数やGDPなどが挙げられますが、この辺りはまたの機会に…。
「コロナだから対面ができなくなるよね」
⇒「それであれば非多面ツールが伸びそう」
⇒「非多面ツールを販売してている会社ってどこがあるかな?」
こんな形で絞り込んでいくのがトップダウンアプローチです。
ボトムアップアプローチ
ボトムアップアプローチは、先ほどのトップダウンアプローチとは逆で、個別の企業を一つ一つ精査して、最終的に適切と判断した銘柄に投資をする手法を指します。
企業が成長していく過程には大きく分けて3つの時期があります。
- 創成期 ・・・ ゼロから企業立ち上げて売上、利益を伸ばすための力を蓄えていく時期
- 成長期 ・・・ 創成期で蒔いた種が花開き、売上、利益が成長していく時期
- 成熟期 ・・・ 企業の成長がいったん落ち着き、競合とのシェア争いに移行していく時期
この中で、創成期から成長期にかけて企業の株価は一番上昇していくため、この時期に投資をするのが理想なのですが、成熟期を迎えている企業に比べて当然リスクも大きいため、それらの企業に投資する際には、その企業の財務状況をチェックすることが重要です。
その際に、企業の財務状況を確認する上で有効なのは、企業のホームページなどで公開されている決算書を確認することです。
これもまたの機会に説明出来たらとは思いますが、企業の決算書を確認することで、企業の財務状況を正確に把握することが可能です。
「この商品(サービス)画期的だな。どこの会社が作っているんだろう?」
⇒「へー、こんな会社がやっているんだ」
⇒「どれどれこの会社の中身はどうなっているんだ?」
こんな形で分析していきます。
このようなアプローチで投資先を決定することが、ボトムアップアプローチなのです。
まとめ
ここまではファンダメンタルズ分析のトップダウンアプローチとボトムアップアプローチについて、説明させていただきました。
様々な大きな見通しからみて、産業→企業と徐々に投資先を絞っていくアプローチと、個々の企業の財務状況を確認して投資先を決定するアプローチ。
投資のプロもこの2つのアプローチを精緻に行うことで投資先を決定しています。
漠然と投資先を選ぶのではなく、こうした判断材料を知っておくことがとても大事ですので、覚えておいてくださいね!
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