【買う?借りる?】持ち家と賃貸はどっちがお得なのか?
投稿日:2021.08.20
「家」は人生において最も高い買い物です。
家は「豊かに暮らす」という観点ではとても重要なものです。
家族構成や価値観の違いによって、持ち家(マイホーム)がいいと思う人もいれば、賃貸のほうがいいと思う人もいます。
今回は、テーマを「お金の損得」に絞って、持ち家と賃貸のどちらがお得なのかを考えていきたいと思います。
※今回のお話はあくまで「お金の損得」に限ったお話です。持ち家か賃貸か?というお話は、一人ひとりの価値観やライフステージにより正解が変わる話であり、こちらにすべき!ということを断言する内容ではないということだけはご了承ください。
目次
持ち家は資産になるのか?
大部分の持ち家は「損」になる
いきなり結論から言いますが、これからの日本社会において、大部分の持ち家は賃貸と比べて損になると言わざるを得ない状況です。
以下に理由を述べます。
① 大部分の物件の資産価値は下がり続ける
以下は日本全国の地価の推移です。
※出典:国土交通省
バブルによる地価高騰があったこともありますが、平成3年をピークに伸び悩みを続けています。
不動産の需要は人口に左右されるため、人口ボーナス期が終わっている日本の不動産需要は全体的に下がり続けることが見込まれています。
※出典:総務省
現状で地価が上昇している地域は、誰もが住みたがる場所に限られているため、それ以外の地方は、ますます過疎化が進み、生き残るのは都心の一等地・・・ということになる可能性が高いです。
また近年は空き家も増加中です。
※出典:国土交通省
2018年時点で住宅ストック数6,241万戸に対して、総世帯数は5,400万戸と、居住者のいない住宅がなんと841万戸もあり、日本の住宅数は供給過多に陥っています。
② 維持費はかかり続ける
家を売るときによくある売り文句として
「マイホームはローン返済が終わればあなたのもの!」
「毎月の家賃を払うのはもったいないですよ!」
なんていう風にいわれることが多いかと思います。
しかし、持ち家には賃貸住宅には無い様々な費用が発生します。
- 固定資産税
- 修繕費(屋根、外壁、給湯器など)
- 管理費(マンションの場合)
これらの費用を月ベースにならすと、だいたい月2~5万円ほどかかりますので、持ち家に住んだとしても、住宅費ゼロで生活することは不可能である、ということです。
③ 持ち家 = 様々なリスクを引き受けている
持ち家を所有するということは、賃貸物件に住むことに比べ、様々なリスクを引き受ける必要があります。
- 災害リスク
- 金利変動リスク
- 返済できなくなるリスク
災害リスクに対応するためには地震、火災保険などへの加入が必要になってきます。
また、仕事を辞める(クビになる)、病気で働けなくなる、離婚するなど、様々な要因で返済が難しくなるリスクもあります。
こういったリスクに備えて収入保障型の保険に入って備えよう・・・なんてことを考えていくと、賃貸に比べて金銭的なメリットはどんどんなくなっていってしまいます。
「持ち家」と「賃貸」費用比較
一つの例として、35年間持ち家で住んだ場合と、賃貸住宅で住んだ場合を、以下のように仮定して比較してみましょう。
- 賃貸 ・・・ 35年の家賃総額 = 3,500万円
- 持ち家 ・・・ 3,000万円で勝った家が35年後、売値が500万円になった
これだけ見ると、持ち家のほうが実質2,500万円で住むことができたように見えるため、持ち家のほうが得に見えますが、持ち家は購入価格以外にかかる費用が大きいことを忘れてはいけません。
- ローンの金利 ・・・ 3,000万円で仮に1% 35年なら約600万円
- 火災保険
- 固定資産税
- 修繕費 ・・・ お風呂、外壁、床、屋根など、平均1,200万円ほど
これらの費用を加味していくと、実質の費用は
- 賃貸 ・・・ 約3,500万円(家は残らない)
- 持ち家 ・・・ 約4,500万円(家は残る)
持ち家の場合は、家は自分のものになるものの、同時に先述のリスクも引き受ける必要があります。
前提条件は無数に考えられるため、一概には言えませんが、安易に「持ち家は資産になる」と思って買うのは危険であるということは覚えておいてください。
「持ち家」の考え方について
ここまでお話ししてきたのはあくまで「持ち家をお金の損得で考えると大部分で損をするケースが多い」ということです。
しかしながら、「持ち家」は単純に「お金の損得」で考えるものではありません。
家を買う行為の一番大きな動機は「家族と心豊かに生活するため」だと思います。
欲しいものを、リスクを恐れてやめてしまうのではなく、様々なリスクを分かった上で買うというのも、人生を豊かにする上では大事なことです。
それを理解した上で、心豊かな人生を送る上で必要か?必要ではないか?を考えてみること自体が大事なのかもしれませんね!
いかがでしたか?
「おかねの勉強」に興味がある!
そんな方は、アーリークロスにご相談ください!
「おかねの教科書」最新セミナー情報をCheck!