iDeCoについて
投稿日:2021.03.01
前回の記事では、つみたてNISAについてお話ししましたが
今回は「老後の資産形成」という観点で、ぜひ知っていただきたい
「iDeCo」について説明していきます!
※iDeCo
(i)individual(個人の)
(De)Defined (確定、定義済み)
(Co)Contribution pension(拠出プラン)
アメリカの401kプランを参考に、2001年に確定拠出年金法が施行され、作られた制度です。
※ちなみにアメリカは1978年にこの401kプランをスタートしています。
NISA⇒イギリスの真似、DC⇒アメリカの真似です。
目次
iDeCoとは?
わが国の年金制度
iDeCoについて説明する前に、わが国の年金制度の仕組みについて
話す必要があります。
というのも、
iDeCo = 個人型確定拠出年金
の愛称を指し、名前のとおり私的年金の制度のひとつだからです。
以下は、わが国の年金制度の仕組みです
※厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/structure/structure03.html
年金制度の体系図を加工して作成
年金は図のような3階建ての構造になっています。
1段目は国民年金で、20歳から60歳の国民すべてに加入義務があります。
2段目は、会社員や公務員が加入する厚生年金で
1段目と2段目を合わせて公的年金と呼びます。
そして3段目からですが
(※自営業者、学生、無職の方、専業主婦の方は厚生年金がないため、実質2段目から)
これは公的年金から、更に上乗せで年金を受け取れるよう
企業や個人で任意で加入する年金で、私的年金と呼ばれるものです。
そして、この私的年金に分類される年金制度がiDeCoなのです!
iDeCoの概要
iDeCoは、個人で掛金を拠出し、その拠出金を自身で選んだ
- 定期預金
- 保険商品
- 投資信託
などで運用、管理して
60歳以降に、掛金と運用益を実績に応じて給付してもらう、という内容の制度です。
20歳から60歳までであれば、基本的に誰でも加入できる
新たな資産運用方法の一つであるといえます。
iDeCoのメリット
そんなiDeCoですが、なんと税制上のメリットが3つあり
非常におトクな制度になっています!
順番に説明していきます。
メリット①:掛金は全額所得控除の対象
通常であれば稼いだお金(所得)には所得税がかかり
所得をベースに住民税も徴収されます。
しかし、iDeCoに拠出する掛金に関しては「所得控除」の対象になるため
その年の所得税、翌年の住民税が安くなるというメリットがあります!
仮に毎月の掛金が1万円の場合、所得税(10%)、住民税(10%)とすると
年間2.4万円、税金が軽減されることになります!
これは大きいですね!
メリット②:運用益が非課税
つみたてNISAと同じく、iDeCoで得た運用益に関して税金がかかりません。
通常、運用益には20.315%の税金がかかることは
つみたてNISAの記事でもお伝えしましたが、
これらを活用しない場合、100万円の運用益が出ても
20万円は税金として取られる計算ですから、知ってるかどうかでかなり差が出ますね!
メリット③:受け取る際にも控除がある!
iDeCoは分割で受け取る「年金」か、一括で受け取る「一時金」で
受取方法を選択することができます(金融機関によっては、年金と一時金を併用することもできます)。
その際、一時金については「退職所得控除」の対象に
年金の場合は「公的年金控除」の対象になり
受け取る際にも税負担が大きく軽減されます。
※退職所得控除の計算方法
加入年数20年以下の場合 … 40万円×加入年数(80万円に満たない場合には、80万円)
加入年数20年超の場合 … 800万円+70万円×(加入年数−20年)
※例:加入30年の場合
800万円 + 70万円 × (30年 - 20年) = 1,500万円
つまり、1,500万円分の退職所得には税金がかからない
※公的年金控除についてはこちらをご参照ください↓
https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ko/ko14.html
iDeCoの注意点
こんなにもメリットが大きいiDeCoですが、4つ注意点があります。
注意点①:60歳までは原則引き出し不可
iDeCoに拠出した掛金について、原則60歳までは途中で引き出すことができません。
節税効果が高いとはいえ、あくまで余剰資金で積み立てていくことをおススメします。
注意点②:元本を下回ることもある
iDeCoは、拠出した掛金を自身で運用する制度ですので
運用結果によっては、元本を下回るリスクも、もちろんあります。
しっかりと、「長期」と「分散」を意識して資産運用を行いましょう!
注意点③:手数料がかかる
iDeCo加入時や受取時、運用期間中は毎月、手数料が発生します。
各種手数料は金融機関により異なりますので、iDeCo口座の開設時は
比較したうえで開設する金融機関を選びましょう。
注意点④:掛金の限度額
iDeCoの毎月の掛け金に関して、5,000円以上という最低額は共通ですが
上限は職業により異なりますので、注意が必要です。
まとめ
今回はiDeCoについて説明させていただきました!
年金制度の一つである為、手軽には引き出すことはできないものの、
- 高い節税効果
- 長期にわたる運用が可能
という事から、「老後の資産形成」の観点では
つみたてNISA以上におススメできる、とてもおトクな制度となっています。
この機会に、ぜひ検討してみてください!
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